上司がリベンジ退職
上司が会社を辞めた。突然の事だった。別に違法ではない、決められた期間に退職を総務に告げ、引継ぎも挨拶もなく居なくなっていた。
会社は混乱、部署も混乱、でも上司的には計画的な退職だったと思う。これは噂に聞いていた、いわゆるリベンジ退職では、と思った。
リベンジ退職とは
リベンジ退職とは、会社や上司への不満や抗議の意味を込めて退職することを指す言葉だそう。近年SNSなどで広まった言葉で、「会社に仕返しするような形で辞める」というニュアンスで使われることが多いようだ。
たとえば、
・引き止めができないタイミングで突然辞める
・重要なポジションの人が急に退職する
・会社への不満を理由に去る
といったケースが、リベンジ退職と呼ばれることがあるよう。もちろん、実際の事情は人それぞれだ。会社への抗議という側面もあれば、単純に限界だったというケースもある。周りからは「リベンジ退職」に見えても、本人にとってはそうではない可能性もあるのだと思う。
若い世代なら上司へのリベンジもあるだろうが、40代、50代、上司という立場になれば会社への復讐というニュアンスが強そうだ。
上司のリベンジ退職体験
私が上司のリベンジ退職を体験したのは突然のことだった。出社したら、上司は辞めました、と言われた。実質的には前日が最終出社日で、今日から休職に入っていて、そのまま退職となるようだ。引継ぎもなく、本当に突然のことだった。
少し前から部署縮小の話は出ていた。 だから何かが起きる可能性はあったのかもしれない。異動やリストラの話は出ていたが、でも、上司自身が辞めるとは思っていなかった。
上司は退職の前日まで普通に会議に参加していた。
会議ではいつも通り落ち着いた様子で、特別なことは何も言わずに淡々と進んでいた。
だから今になって思う。
あのとき、上司は何を考えていたんだろう。
さすがにあの時点では、
もう辞めることを決めていたのだと思う。
それでも、何も変わらない態度で会議に出ていた。
その静けさが、今になって少し不思議に思える。
その後退勤前に退職届を出したのだろう。そしてそのまま休職となり、リベンジ退職成功というわけなのか。
リベンジ退職するような人には見えない上司だった
リベンジ退職というと、迷惑がかかるように辞めてやったざまあみろ、みたいな感じでするイメージがあり、バイトやパートの責任がないいい加減な人がやるもので、40代や50代ではなくZ世代で増えていることだと思っていた。(Z世代がいい加減だというわけではなく、あくまでリベンジ退職をする人が居るという意味です。)
上司は会社が悪い、リベンジ退職してやった、ざまあみろ、なんて辞め方をするような人間、全くそんな人には見えなかった。
威圧しない上司だった。そして、物静かな人だった。
世の中には、怒鳴ったり威圧することで
「上司らしさ」を見せる人もいる。
でもあの人は違った。
無駄に怒ることはなかったし、何か問題があっても、声を荒げることはなく、
静かに状況を整理して、静かにフォローしてくれる上司だった。
表で大きくかばうタイプではないが、でも、気づくとさりげなく整えてくれている。そんな場面が何度もあった。
だから自分は、この人をちゃんとした上司だと思っていたし、尊敬もしていた。
なぜリベンジ退職、上司なりの理由と原因
そんな上司がリベンジ退職するのだから、それなりの理由や原因があったのだと思う。
部署縮小に伴い、ボーナスが大幅に減ったのだけどそれが原因か、それとも人員整理でもやらされることになっていたのか、
もう今となっては分からないけど、リベンジ退職を決断までさせる何かがあったはずだ。
何か相談してくれれば、なんて思うけど上司が部下に悩みは相談しづらいだろう。孤独な決断だったのだな、と思う。
リベンジ退職で残された側の気持ち
部署は当たり前だけどリーダーを失って混乱している。
怒っている人もいる。それも無理はないと思う。
でも、自分の中で一番大きかったのは、やっぱり悲しさだった。なんだか、捨てられた子供みたいな気持ちになった。
時々、ぼーっとしてしまう。
「今、何しているんだろう」とか
「別の会社でうまくやっていくのかな」とか、そんなことを考えてしまう。
正直なところ、「リベンジ退職が無事成功してよかったね」なんて、
周りに言ったら怒られそうなことも頭をよぎる。
それでも、そう思ってしまう自分を否定できない。
複雑だ。悲しい気持ちと、少し羨ましい気持ちが混ざっている。
あの人がいたから、この部署でやってこれた部分もあったんだと思う。
だから、なおさら喪失感が強い。
リベンジ退職で残された側は、気持ちの整理が難しい。せめてこれまでのお礼をいって、送り出させてもらいたかった。別れを言えない急な別れは、心残りが強くなる。
リベンジ退職した上司へ
今、どこかで頑張っている上司へ。
これまで大変お世話になり、ありがとうございました。
あなたの仕事ぶりや静かなフォローは、ずっと忘れません。
リベンジ退職となり、あなたを悪く言う人もいますが、あなたなりの理由や正義があったように思えてなりません。
今後の活躍を心からお祈りしています。
どうかいつまでもお元気で。